議長ポストをめぐる“金銭授受疑惑”に揺れる蔵内福岡県議会。
その渦中にいるのが、「県議会のドン」とも呼ばれる蔵内勇夫議長である。
疑惑の真相が十分に解明されないなか、吉松源昭県議は臨時議会で、蔵内議長に対する「辞職勧告決議案」を提出した。
ところが、8月17日に予定されていた採決は行われなかった。
採決しないよう求める動議が蔵内の手先と呼ばれている林泰輔県議から提出され、その動議が可決されたからである。
つまり福岡県議会は、「蔵内議長に辞職を勧告するかどうか」という各議員の意思を、県民の前で明らかにすることさえ避けたのである。

なぜ採決から逃げたのか
辞職勧告決議案に反対なら、堂々と反対票を投じればいい。
賛成なら、賛成票を投じればいい。
それが議会制民主主義ではないのか。
にもかかわらず、福岡県議会が選んだのは、賛成でも反対でもなく「採決しない」という道だった。
これでは、疑惑の解明よりも、議長を守るための時間稼ぎを優先したと受け取られても仕方がない。
県民が知りたいのは単純である。
誰が辞職勧告に賛成し、誰が反対するのか。
そして、誰が採決そのものを潰そうとしたのか。
ところが、その判断すら県民の前に示さなかった。
議会が自ら説明責任を放棄したに等しい。

JC-net・日刊セイケイ編集長・中山洋次