産業通商資源部と韓国貿易協会によると、今年第1四半期(1~3月)の韓国の中国輸出額は339億2,600万ドルで、昨年同期比▲1.5%減少した。
第1四半期の韓国全体の輸出額(1,336億4,300万ドル)で、中国は25.4%を占めている。
中国の輸出額は、景気鈍化にも今年1~2月3,691億1,600万ドルで14.9%増加しているが、この期間、韓国の対中国輸出額は220億3,100万ドルで▲0.9%減少している。
2014年の同期は、中国の輸出額は▲0.4%減少し5年ぶりに減少したなかでも、対中輸出額は2014年第1四半期344億2,700万ドルで前年より2.8%増加していた。
対中輸出を月別に見ると、今年1月には120億8,800万ドルで5.3%増加したが、2月は99億4300万ドルで▲7.6%減、3月は118億9,500万ドルで▲2.4%減少し、2ヶ月連続で減少となった。
当初、今年の対中国輸出は韓中自由貿易協定(FTA)の効果が早期に可視化され、回復に転じるという楽観論が優勢だった。
しかし、経済成長鈍化による中国内需不振が予想よりもひどいことが示され、韓中FTAの効果が相当部分相殺されるという悲観論がますます広がっている。
中国内需不振は、目に見える減収となっている。中国の今年の1〜2月の累積的輸入額は2,383億3,600万ドルで、昨年同期間より▲23.7%減少している。
これは、景気が悪くなり、品質は多少落ちても価格が安い中国製品の使用割合を増やしたことによるものと見られる。
このように中韓輸出の脱同調現象は、昨年から明らかになっている。昨年、中国の輸出額は6.0%増加したが、韓国の対中国輸出額は▲0.4%減少していた。
中国製造業が急速に発展し、独自の輸出の割合が増えて加工貿易は減っているが、加工貿易に大きく依存してきた韓国企業が変化する中国経済の構造を追わずにいると指摘もされている。
対中輸出が好転しない場合は、原油価格の下落などで今年に入って3ヶ月で後退している韓国全体の貿易も、弾力性を回復することは容易ではないという懸念も出ている。
以上、
中国製造業は、外需不振、内需不況、労賃上昇により急速に生産の効率化を進めている。そのため、日本からのロボットなどの機械が大量に導入され、価格競争力の維持に努めている。
そうした日本の最新生産機械を導入して作られる製品は裾野まで広がりつつあり、競争力を持たない汎用品の部品などは中国内で生産され、韓国からのこうした汎用部品などの輸入が減じていることにある。安ければ買うが高ければ造ってしまうというのが今の中国である。また、部品だけを作り納入するより製品として付加価値を付け販売する生産に移行してきている。
こうした中国の生産の近代化に寄与しているが日本の機械商社であり、日本のロボット含む機械業界の輸出好況を裏付けている。
<中国の生産性は急速に向上している>
日本の最新工作機械が大量に中国へ輸出されている。中国の製造業は、国内外経済の低迷、労賃上昇による生産コスト上昇に業績を悪化させてきた。そうした中、昨年はじめの中国政府の製造業は生産性を向上させよとの大号令の下に、製造業は日本のロボットや製造機械類を大量に導入し続けている。
その結果が、下記の表で如実に現れている。また、そうしたことが、中国の輸出増が増加しているにもかかわらず、韓国からの中間材の輸入が減少している原因と見られ、さらにこうした傾向は今後とも続いていくものと見られる。(中央政府による政策であり、金融機関のバックアップがあっているものと見られる)
逆に韓国の日本からの工作機械の輸入は大幅に減少している。中国では、製造範囲の拡大、製品の品質向上、生産性の向上を同時に獲得しており、特に製造業大手の国際競争力は増していくものと見られる。
韓国は輸出が国の経済を牽引する輸出立国にありながら、輸出の1/4以上を中国に依存し、競争力ある分野は別として、汎用製品の製造業は今後とも苦戦が続くものと見られる。
工作機械外需受注月別状況 /百万円
|
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|
外需
|
前年比
|
中国
|
前年比
|
対中度
|
13/1月
|
47,638
|
-18.2
|
7,945
|
-65.4
|
16.7%
|
2月
|
53,544
|
12.4
|
10,498
|
-62.6
|
19.6%
|
3月
|
56,890
|
6.2
|
12,720
|
-53.6
|
22.4%
|
4月
|
54,719
|
-3.8
|
12,513
|
-57.5
|
22.9%
|
5月
|
67,925
|
24.1
|
16,288
|
-43.7
|
24.0%
|
6月
|
63,126
|
-7.1
|
12,423
|
-57.5
|
19.7%
|
7月
|
60,084
|
-4.8
|
13,264
|
-56.3
|
22.1%
|
8月
|
59,190
|
-1.5
|
11,282
|
-52.3
|
19.1%
|
9月
|
58,401
|
-25.6
|
11,467
|
-57.6
|
19.6%
|
10月
|
63,557
|
-4.8
|
12,327
|
-46.5
|
19.4%
|
11月
|
60,155
|
3.2
|
12,447
|
-37.1
|
20.7%
|
12月
|
71,017
|
22.0
|
20,692
|
31.9
|
29.1%
|
14/1月
|
66,245
|
39.1
|
17,291
|
117.6
|
26.1%
|
2月
|
67,983
|
27.0
|
18,041
|
71.9
|
26.5%
|
3月
|
90,421
|
58.9
|
37,430
|
194.3
|
41.4%
|
4月
|
87,026
|
59.0
|
32,682
|
161.2
|
37.6%
|
5月
|
83,769
|
23.3
|
33,421
|
105.2
|
39.9%
|
6月
|
84,980
|
34.6
|
29,816
|
140.0
|
35.1%
|
7月
|
85,407
|
41.5
|
27,943
|
110.7
|
32.7%
|
8月
|
86,248
|
45.7
|
33,921
|
200.7
|
39.3%
|
9月
|
86,408
|
48.0
|
23,624
|
106.0
|
27.3%
|
10月
|
88,787
|
39.7
|
17,603
|
42.8
|
19.8%
|
11月
|
89,989
|
49.6
|
17,808
|
43.1
|
19.8%
|
12月
|
96,103
|
35.3
|
20,620
|
-0.3
|
21.5%
|
15/1月
|
82,626
|
24.7
|
17,927
|
3.7
|
21.7%
|
2月
|
88,917
|
30.8
|
22,565
|
25.1
|
25.4%
|
3月
|
91,734
|
3.2
|
|
|
|
14/3~15/2
|
1,050,681
|
|
315,360
|
|
30.0%
|
・日本工作機械工業会版、対中度=対中依存度
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