東北出身の特殊工事ゼネコン ライト工業/3月決算 増益
同社は当期について、建設業界は、資材価格や労務価格の高騰がありましたが、民間建設投資は回復基調が継続し、公共建設投資も、前年度対比では若干減少したものの、総じて堅調に推移した。
このような状況下、当期の売上高は、東日本大震災に伴うがれき処理の売上が減少したことと、収益性を重視した事業規模の適正化を図った結果、売上高は前期比▲7.6%減の856億48百万円となったとしている。
営業利益率が一昨年期3.90%、昨年期7.09%、当期8.26%まで回復してきた。しかし、外注費コストはまだ上がっている(昨年期の工事売上高に対する外注費コストは41.4ポイント、当期は44.2ポイント)。
これまで利益を圧迫してきたのは、外注労務費高騰や資材高によるが、資材屋の大手メーカーはそれぞれ値上げして儲かっていた。ゼネコンだけが、受注時と施工時期のタイムラグ問題から利益が損なわれてきたが、これじゃいかんとゼネコンも話し合いを持ったようで、原価コストが上昇する中、官庁の積算数値は時代遅れになり、それまで利益の源泉であった官庁工事で応札なしを続出させ、見積価格の上昇に成功した。
民間建築工事でも大赤字を続出、施主に対して適正価格で受注するようになってきた。それは公共投資の大幅増に加え、資金タレ流しの景気浮揚策による民間工事増、特に相続税対策の賃貸マンション工事が増加し、建築工事が旺盛であることに起因している。
円安以前に需給バランスから原価コストがアップしているが、当然、分譲マンションの建築コストも上がり、分譲マンションが売れない中、販売価格だけが上がる現象を生じている。
公共投資もいくらアベノミクス万歳と唱えたところでプライマリーバランスからいつまでもタレ流し政策を取り続けることはできず、いずれ原価コストの中身は見直されてくるものと見られる。
2015年3月期の受注高と残高 単体
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H26年3月期
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H27年3月期
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工事種別
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受注/百万円
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受注/百万円
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増減率
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斜面・法面対策
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28,739
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31,926
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11.1%
|
基礎・地盤改良
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28,228
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31,708
|
12.3%
|
補修補強
|
3,515
|
3,153
|
-10.3%
|
環境修復
|
3,172
|
4,129
|
30.2%
|
管きょ
|
1,986
|
1,001
|
-49.6%
|
一般土木
|
10,419
|
9763
|
-6.3%
|
建築工事
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10,877
|
14560
|
33.9%
|
その他
|
4,278
|
1,146
|
-73.2%
|
合計
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91,214
|
97,386
|
6.8%
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2014年期と2015年期の受注繰越高比較
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受注残
|
受注残
|
増減率
|
斜面・法面対策
|
9,015
|
11,851
|
31.5%
|
基礎・地盤改良
|
9,773
|
13,090
|
33.9%
|
補修補強
|
1,236
|
1,183
|
-4.3%
|
環境修復
|
1,463
|
1,271
|
-13.1%
|
管きょ
|
1,302
|
900
|
-30.9%
|
一般土木
|
8,497
|
12230
|
43.9%
|
建築工事
|
7,780
|
10949
|
40.7%
|
その他
|
301
|
325
|
8.0%
|
合計
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39,367
|
51,799
|
31.6%
|
連結/百万円
|
売上高
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営業利益
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経常利益
|
当期利益
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12年3月期
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73,982
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2,255
|
2,280
|
1,678
|
13年3月期
|
75,557
|
2,947
|
3,159
|
1,973
|
14年3月期
|
92,698
|
6,581
|
6,748
|
3,973
|
15年3月期
|
85,648
|
7,078
|
7,364
|
4,602
|
15期/14期比
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-7.6%
|
7.6%
|
9.1%
|
15.8%
|
16年3月期予想
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90,000
|
6,400
|
6,500
|
4,100
|
16期予/15期比
|
5.1%
|
-9.6%
|
-11.7%
|
-10.9%
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