アイコン なぜ金は5,000ドルに達したのか トランプ流『力の秩序』が招く市場の悲鳴

Posted:[ 2026年1月26日 ]

金(ゴールド)がついに「1オンス=5,000ドル」を突破した。市場が織り込み始めたのは、インフレ懸念の再燃というより、「同盟国間の摩擦」と「通商ルールの揺らぎ」が同時進行で強まる、地政学ショックの連鎖だ。

きっかけの一つが、トランプ米大統領によるカナダへの強硬姿勢である。カナダが中国との通商面の調整を進めたことを受け、トランプ氏は「中国製品がカナダ経由で米国市場に流入する(迂回輸出の拠点化)」との警戒感をあらわにし、カナダに対して100%関税を示唆した。カナダのカーニー首相は、対中の包括的な自由貿易協定を目指す考えはないとしつつ、米国の圧力を受ける構図が鮮明になっている。 (AP News)

 



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もう一つの火種が、グリーンランドを巡る米欧対立だ。トランプ氏は、グリーンランド購入をめぐる姿勢を背景に、デンマークなど欧州8カ国からの輸入品に追加関税を課すと表明し、2月から10%、6月から25%へ引き上げる枠組みまで示した。安全保障の同盟を前提に築かれてきた欧米関係に、通商面から楔を打ち込む形で、投資家のリスク回避を一段と強めた。 (Reuters)

中東情勢の緊張も、安全資産買いに拍車をかけた。トランプ氏はイランを念頭に「艦隊(armada)」を派遣すると発言し、米空母「エイブラハム・リンカーン」などの戦力が中東へ向かうと報じられている。軍事的リスクが再燃すれば、原油だけでなく「紙の資産」全般への不安が高まりやすく、金への資金シフトが加速する。 (Reuters)

実際、金は安全資産需要を背景に急伸し、スポット価格が5,000ドルを超える史上最高値を更新した。市場の目線は、短期の価格変動よりも、同盟・通商・安全保障が同時に揺らぐ「新しい不確実性の常態化」に移っている。 (Reuters)

今後の注目点は三つある。第一に、対カナダ関税が実際に発動に向かうのか、それとも交渉カードとして後退するのか。第二に、グリーンランドを巡る米欧対立が関税の応酬に発展するか。第三に、中東での軍事的緊張がどこまでエスカレートするかだ。これらが重なれば、金高は「一時的なパニック」ではなく、新しい均衡水準として定着する可能性も出てくる。

 

 


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