アイコン レアアース価格高騰 中国生産調整の影響か 策略か

Posted:[ 2025年12月25日 ]

幅広い産業に不可欠なレアアース(希土類)の価格が高騰している。圧倒的なシェアを握る中国が4月に輸出規制を発動し、電気自動車などに使われるジスプロシウムは3倍に跳ね上がった。世界で争奪戦が過熱し、中国が規制していない品目も値上がりし、企業は対応に苦慮する局面が続きそうだ。
英調査会社アーガス・メディアがまとめた中国国外の価格指標となる欧州のジスプロシウム価格は、4月1日に1キログラム280ドル(約4.4万円)だったが、5月1日には850ドルに急上昇。その後も値上がりを続け、12月11日には920ドルに達している。
中国政府は4月4日、ジスプロシウムや永久磁石に使われるテルビウムなど7種のレアアースの輸出規制を発表した。

米中関税戦争で5月12日、米国が折れ、145%の関税が30%まで落ちた。しかし、米国が中国製船舶に対して入港料を取るとしたことから、10月9日に11月1日から再びレアアース輸出規制に入ると通告、10月30日の米中首脳会談で再び米国が折れ入港料等につき、米中それぞれが1年延期することで妥結した。これを受け中国はレアアースの対米輸出規制を解除したものの、価格については、価格決定権を持つ中国に対して意見なし。

トランプ政権は米中貿易戦争で中国政権に関税戦争を仕掛けたが、2回もレアアース攻撃の反撃にあい、米国のモーター生産工場が生産停止に追い込まれ、自動車生産も危機に陥りギブアップ、10月30日以降、トランプ氏は中国との貿易戦争を停止するどころか、政治外交面でも刺激を与えない政策に徹している。
日中政府間葛藤でも、日本が安保上、米国に寄りかかっても、中国に関しては突っぱねている状況となっている。

 



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しかし、中国では輸出規制により、国内でレアアースがダブつくとして生産調整していた。そのため世界的に見た場合、品薄状態が続いているもの。

テルビウムの欧州価格も4月1日の1キログラム965ドルから、12月11日には3750ドルに上昇した。
アーガス・メディアのチ・ヒン・リン・アジア金属価格部門責任者は、中国の輸出規制によって「中国国外で供給が枯渇し始め、将来の供給の不確実性も高まって価格が急騰している」と話す。
さらに永久磁石に使うネオジムなど輸出規制の対象外の品目も値上がりしている。
新たに中国の輸出規制の対象に入りかねないといった懸念や、レアアース生産を手がける米MPマテリアルズが中国への輸出停止を発表したことが背景にある。
中国の価格は欧州より安い。チ・ヒン・リン氏は「中国が輸出規制を解除しても、価格差が規制前の水準に戻る保証はない」とみている。
以上、ロイターー参照

そもそもレアアースやレアメタルの価格は、中国政府が世界で市場支配するため安価に設定している。それは安価な労働力と安価な石炭エネルギーを利用していることで実現。そのため、米国や豪州などではレアアースの含有鉱石を自国で精錬していては高価となり中国製の価格と戦えないため、現在でも米豪のリチウム等の含有鉱石は中国へ輸出され(=中国企業が購入し)、中国で精錬され、商品化されている。
こうした構図が世界で展開され、アフリカのコンゴ民主国のコバルトも中国企業が:採掘権益を持ち採掘して中国へ含有鉱石が送られ、商品化されている。レアメタルやレアアースの価格設定は中国が握っている。
この構図を取り払った場合、世界の電子製品価格は高騰し続けることになる。小泉政権来、政府が給与を上げず・上げさせず貧乏国にしてしまった日本人は買えなくなる。

こうした価格設定により、レアメタルやレアアースを利用する中国の電子機器産業なども安価に調達でき、これまで中国も世界も発達してきた経緯がある。
レアアース価格が上昇すれば、中国により淘汰された各国のレアアース産業が再び復活、

米国では米政府が出資し、残っているレアアース企業を支援して増産させている。
オーストラリアもライナス社がマレーシアで豪産含有鉱石からジスプロシウムやテルビウムの精錬分離に成功し今年6月から商業生産を開始、日本も双日や金属公団が出資しており、輸入権益を確保している。

日本の海底6千メートルのレアアースの採取も、採算ベースでも可能性が高くなってくる。
日本は2012年に中国からレアアース輸出規制を受け、それ以降調達先をレアアース埋蔵国のベトナムなどに投資して多様化、さらにリサイクル技術も向上させ、中国依存度は50%台まで落ち、先進国としては圧倒して中国依存度は低い。しかし、まだ50%以上依存しており、その影響は大きい。

日本政府は米国から言われるがままに自ら潰した半導体産業を、今になって膨大な税金を投入して復活させようとしている。それもこれもレアアース次第となる。
中国に足を向け寝れない産業問題が両国間や世界各国に横たわっている。
面倒臭いクサすぎる相手だ。

↓欧米市場価格
1225_02.jpg


スクロール→

先物相場/Trading Economics

 

単位

24/12.

25/6.

25/9.

12/25.

24/12

t.oz/

2,638

3,303

3,859

4,480

69.8%

t.oz/

28.9

36.1

46.7

71.9

149.2%

Lbs/

3.97

5.05

4.82

5.49

38.3%

プラチナ

t.oz/

894

1,361

1,595

2,261

152.9%

コバルト

T/

24,300

33,335

35,000

52,790

117.2%

スズ

T/

29,083

33,716

35,410

42,792

47.1%

パラジウム

t.oz/

889

1,078

1,265

1,766

98.7%

ネオジム

T/CNY/

497

552

785

737

48.3%

テルル

/CNY

645

645

595

740

14.7%

インジウム

/CNY

2,545

2,495

2,525

2,570

1.0%

 


スクロール→

USGS 2018版 レアアース17元素

レアアース埋蔵国

レア鉱石生産国

レアアース製品化

中国

36.0%

中国

79%

中国

 

ブラジル

18.0%

豪州

15%

 

 

ベトナム

18.0%

ロシア

2%

 

 

ロシア

15.0%

ブラジル

2%

 

 

インド

6.0%

タイ

1%

 

 

その他

7.0%

その他

1%

 

 

埋蔵量121百万トン

鉱石生産量13万トン

 

 

 

 

 

 


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